先輩は、私みたいなタイプは最初から眼中にないのだろう。
まあ、そりゃそうか。
元々、関わることなんてないだろうと思っていた人だったし…。
保健室で毎時間様子を見に来てくれていたのも、ただ先輩が優しいだけで、特に私をどう想っているのかなんて、意味はなかったんだ。
一人で勝手に納得した途端、だんだん虚しい感情に襲われた。
「あれっ、萩ちゃんじゃん!」
反射的に顔を上げる。
穏やかで、優しい声。
私を「萩ちゃん」と呼ぶのは、あの人しかいない。
「…つーか、ユウカちゃん、ちょっと近くない?何してんの」
「えー、ごめーん。だってやっとめーたんに会えたから嬉しくて〜」
真ちゃん先輩が、目の前にいる。
先輩とは、私が風邪をひいた日以来で、平日でも会う機会がなかった。
なんだか、すごく久しぶりに感じる。
先程までどんよりと気分が重かったのに、本人を目の前にした瞬間、先輩への恋心がますます大きくなっていく。
「あっ、そーだ、めーたん」
無意識に先輩を見つめていると、ユウカさんが思い出したかのように、ポンッと肩をたたく。
そして、私の耳元に口を寄せて、こっそりとこう言った。



