昼休み。

私は購買部に寄って、ぶどうゼリーを購入した。

以前、玲太くんにからあげと交換を条件にしてもらったぶどうゼリーだ。

玲太くんには『ぶどうゼリー好きだろ』なんて言われたが、ゼリー全般が好きなだけで、特に味にこだわりはない。

大袈裟かもしれないが、玲太くんがくれたこのぶどうゼリーが今まで食べてきた中で1番美味しかったため、お詫びとお礼を含めて、先輩にも食べてほしいと思った。

本当は、もっと高価なお菓子を渡したかったけれど、私のお小遣いでは全く足りないのだ。

それに、今すぐにでもちゃんと謝りに行かなければならない。

迷惑をかけたのだから、今日の目的は、先輩にぶどうゼリーを渡す!

そして、次の機会に上等なお菓子か何かを贈る!!

以上!!!


よしっ…!と、心の中で気合を入れて、2年の階に到着する。

麻弥くんから事前にクラスを聞いていたので、どこの教室なのかは、既に把握済み。

真ちゃん先輩がいる教室の扉の前で立ち止まる。


「……っ」


引き手部分に手を伸ばそうとした瞬間、バクバクと、心臓が急激に高鳴り出した。