あなたの笑顔が好きだから。



「入試当日に受験票をどっかに落としちゃったことがあってさ。そのことに気づいたのが会場に着いた時で、1人絶望的な状況に陥ってたら、たまたま芽依が拾って、オレのとこに届けに来てくれたんだよ」

「…ふーん」

「あの日以来、オレにとって芽依は恩人であって、友人でもあるんだ。芽依に対して恋愛感情は、本当に何もない。だから、あいつに何かあったら、すぐに助けてやりたいなぁ…という所存でございまして……」

「…ふーん」


「ま、本人は全く覚えてないらしいんだけどな〜!」と、眉を下げながら小さく笑った。


なるほど、それであんな仲が良いのか。

麻弥が人懐っこい性格もあるのだろうけど、3人で喫茶店に行った時、メニューを2人で一緒に見ていて、やたら距離が近かった。

なんなら、麻弥が兄貴面してたっけ。

『パフェ、多かったらオレが食べてやるよ』なんて言って、萩ちゃんの世話を焼いていたくらいだ。

まるで、兄と妹のようなやり取りをしていて、微笑ましいとは思ったけども…。


「…って、オレのことはいいんだよ!今聞きたいのは真くんの方!何ちゃっかり目背けようとしてんの!!」

「ありゃ、バレたか…」


何とかこの話題を逸らしたくて、逆に質問をしてみたが、どうやら誤魔化すことはできないようだ。