あなたの笑顔が好きだから。



「約束した日から楽しみで、夜も寝られなくて、寝不足で体調崩しちゃったんですけど……」

「……」


先輩は、何度か瞬きをする。


「…先輩?」


黙り込む先輩に不安を抱いた。

すると、先輩は「…ブハッ!」と突然吹き出して。


「ちょっ、まって…むりっ…ははっ……」


お腹を抱え、声を震わせながら笑いを堪えている。


「…は、ハギちゃん…遠足が楽しみで寝られなかった小学生みたいなこと言うから……っ、あははははっ!!!」


とうとう限界が来たのか、大声を出して爆笑する先輩。


「な、何で笑うんですか!」

「い、いやだって…!そんな楽しみにしてくれてたとは思わなくて……ぶふっ…くくっ……」


こ、この人完全に私を馬鹿にしてる…!!

そんな笑わなくたっていいのに…!


「そっか〜、萩ちゃん楽しみにしてくれてたのか〜…」


笑いのピークが収まった先輩は「そっかそっか」と、どこか安心したような表情で呟いた。