あなたの笑顔が好きだから。


まさか、1日中保健室で寝込んでいたとは。

何しに学校に来たんだって思われたんじゃ…?


「萩ちゃんの友達っぽい子たちも何回か様子見に来てくれてたよ」

「えっ、瑠璃ちゃんと杏子ちゃんが…?」

「あー、うん。名前まではわかんないけど、たぶん合ってる」


後で2人に心配かけてごめんねって連絡しておかなくちゃ。

瑠璃ちゃんも杏子ちゃんも保護者みたいに心配性だからなぁ…。


「萩ちゃん帰れそう?おれの姉ちゃんが車で学校迎えに来てくれるから萩ちゃんの家まで送るよ」

「えっ、そんな、申し訳ないです…」

「いーのいーの。病人なんだから大人しく先輩の言うことを聞いてください」

「……おっす」


先輩は優しく私の頭を撫でながらくすっ、と笑う。

先輩が笑う度に胸がぎゅっと苦しくなるような感覚がする。


「…真ちゃん先輩」

「ん?」

「今日、ごめんなさい。先輩との約束、破っちゃいました…」

「いーよ、そんなの。また別の日に行けばいいし」

「でも、私、すごく楽しみにしてたんです」

「えっ、そうなの?」


先輩の問いにコクリと頷く。