あなたの笑顔が好きだから。



「どしたの、萩ちゃん。もしや永遠(とわ)に見惚れちゃった〜?」

「えっ…!?」

「まあ、こいつ女の子たちから"王子"ってあだ名つけられるくらいだしね〜。さすがおれの幼なじみっていうかさ〜。こいつかっこいいでしょ?」

「えっと……」


確かにわーちゃんさんかっこいいけど、本人はすごく興味なさそうに先輩の話を聞いている。

しかも、今周りにいる女の子たち皆チラチラわーちゃんさんの方を見ていて…。

初対面だけど、わーちゃんさんがそれだけモテているんだろう…ということは十分伝わった。


───でも、私はやっぱり…。



「…真ちゃん先輩の方がかっこいい、です……」

「……えっ」



先輩が目をまん丸にして固まる。

彼の反応に気づいた麻弥くんとわーちゃんさんがちらっ、と横目で先輩を見る。


「よかったな、『真ちゃん先輩』」

「わーちゃんよりかっこいいって褒めてもらえてよかったね、『真ちゃん先輩』」

「ちょっ、お前らやめろって…。萩ちゃんもそんな軽々と男に『かっこいい』なんて言っちゃいけません!!」


『軽々と』だなんて。

私は本当のこと言っただけなのに…。