教室の出入り口付近の方へ視線を移すと、隣のクラスの女子生徒(友人)、花崎ちゃんが「ヘイ!チャラ森ヘイ!!」と手の平を上に向けて手招きをしている。
その瞬間、先程まで幸福感に満ち溢れていた気持ちが現実に引き戻されたかのように、気分が一気に萎えていく。
「…誰あの子、おれ知らね〜」
「コラ───ッ!!」
知らないフリをしようとしたら、花崎ちゃんが目の前までやって来て、むりやり廊下へと引っ張り出された。
タイミングの悪いことに、彼女が絶賛片想いの相手である永遠は不在だ。
「永遠は今いない」ということを伝えると、どうやらおれに用があったらしく、永遠が20代女性と一緒に歩いている所を見かけたという報告をしてきた。
聞いてくる質問内容がいまいちよくわからなかったので、とりあえず適当にママ活かお見合い相手なんじゃないかと答えると、花崎ちゃんは相当ショックを受けたのか、あんぐりと口を開けて固まってしまった。
「おれに聞くよりさ〜、本人に聞いた方が早くない?」
「へっ…」
「あっ、永遠〜おかえり〜」



