「今後は芽依の家に行かないことにしたから、合鍵返す。おまえもそっちの方がいいだろ」
「えっ、そ、そんな急に言われても…」
「彼氏いんのに、他の男家に上げるような最低な女になりたくねえだろ」
「いや、でも、玲太くんだし、さすがに先輩も許して……ううん、やっぱ何でもない。わかったよ、今までありがとう」
私は頷いて、返ってきた合鍵を握りしめる。
もう、玲太くんが作ってくれたご飯は食べられないのか…と寂しく思っていると、心を読まれたのか、「ご飯はこれからも俺が作ってやるけど、持ってきてくれるのは母さんに代わるだけだから」と言われ、私は「そ、そっか…」と答えた。
「あのさ、玲太くん。これからもずっと…私と友達でいてくれる、よね…?」
「当たり前だろ」
すぐに返事が返ってきた後に、デコピンをくらい、「いだっ!?」と可愛らしくない声を上げてしまう。
ズキズキと痛む額を押さえて玲太くんを睨みつけると、彼は白々しい態度でそっぽを向いた。
「俺、帰るから。芽依も深森先輩の胸ぐら掴んだりすんなよ」
「んなっ…!?掴まないよ!!」
「どうだか」
そう言って、玲太くんは教室を出て行った。



