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「なーなー芽依〜」
放課後、HRが終わってすぐのこと。
後ろの席の男子が背後から私の肩を叩いた。
「どうしたの?」
「今からパフェ食いに行かね?」
唐突なお誘いをしてくる彼───日向野 麻弥くん。
名簿順が前後で、更にはフレンドリーな性格なこともあって、仲良くなったクラスメイト。
また、瑠璃ちゃんの彼氏さんが麻弥くんとの友達繋がりで話すきっかけにもなった。
最初話しかけられた時は多少驚いたものの、慣れると何も思わない。
麻弥くんは、いつも私のこと気にかけてくれるから、兄のような、弟のような、そんな感覚だ。
「駅前の商店街にある喫茶店に期間限定でメロンパフェが出たんだよ。めっちゃ食いたくね?」
「私メロン好きじゃない」
「えーっ!?一緒に行ってよー!!芽依帰る方向同じだからいいじゃん!付き添いでさ〜!!」
「一人で行きなよ」
「一人であんなおしゃれなとこ行けねえもーんっ!!」
お願い!!と、顔の前で両手を合わせてくる彼にぐっ…と言葉を詰まらせる。
…まあ、家に帰ったらお母さん仕事だし、ほぼ1人で暇だから、別に、行ってもいいけども。



