あなたの笑顔が好きだから。






自宅に戻り、リビングのテーブルに向かい合わせに座って、私は真ちゃん先輩との関係について話した。

私の口から"彼氏"という単語を聞いた母は、案の定驚いた顔をしており、「か、彼氏…!?」と大きな声を上げた。

しかし、その瞬間、ふと私はあることに気づく。


「…お母さん、さっきの…私たちのやりとりって見てた…?」


私が先輩と一緒にマンションから出て来たところを見ていたということはつまり───…。


「見てましたけど?」


恐る恐る質問すると、お母さんは躊躇うことなく即答した。


「芽依と男の子が抱き合ってキスしてたところもばっちり見てましたけど?」

「ぎゃあぁぁっ!?」


顔を真っ赤にして、スマホのバイブレーションのように震え出す私に母は「まあ落ち着きなって」と私の肩を軽く叩いた。


「だだだだって…みみみみられ、みらっ、みられて……」


先程のやりとりを家族に見られていたなんて、恥ずかしすぎる。

ハグも恥ずかしいけど、キスしていた場面を見られていた方がもっと恥ずかしい。


「で?いつから付き合ってんの?」

「えっ…」


母の問いに、私はキョロキョロと目を泳がせた。