「えー?おねーさんビビってんの?大丈夫だって、オレらちょー安全だよ〜?」


私の腕を掴んでいる男がそう発した時、2人の男はブハッと吹き出して、腹を抱えながら笑い始める。


「ギャハハッ!!おまっ…よくその見た目で安全とか言えるな〜!!」

「どの面下げて言ってんだよ!きめ〜っ!!」


下品な笑い方をする彼らを睨みつけ、目に涙を浮かべる。


なんなの、この人たち。
ちょっと腕が当たっただけじゃん。

ちゃんと前を見て歩いていなかった私も十分悪いけど、治療費払う程の怪我してないじゃん。


怖くて言い返せない自分に腹が立った。


「…っ、はなして…ッ!!」


ずるずる引きずられるように歩かされ、逃げる術を失ってしまう。


気持ち悪い、触らないで。
その手、離して…っ!!

悔しい、ムカつく。

私にもっと力があれば、こんな人たち相手にせずとも逃げられるのに…。