瑠璃ちゃんたちがよっぽど深刻な表情をするってことは、もしかして私の恋は"叶わない恋"なの?
まさか、真ちゃん先輩に彼女がいるとか?
「あのね、芽依。深森先輩はね……」
間を置く杏子ちゃんにごくり、息を呑んだ。
「あの人はね、"遊び人"ですごく有名なんだよ」
「…あそびにん……」
杏子ちゃんの言葉を反芻する。
「チャラい・軽い・女癖がひどいの3コンボが揃った人で、セフレが何人もいるって噂があるの」
「ピュアな芽依にあんな来るもの拒まず、去るもの追わずで、女子を泣かした人数は数知れずとかいう深森先輩に恋をするなんて……」
「「お母さん許しません!!」」
「えぇ…」
どうやら杏子ちゃんと瑠璃ちゃんは、真ちゃん先輩に恋心を抱いていることに反対しているようだ。
実際に話した感じだと、そんな軽そうな人には見えなかったけどなぁ…。
「チャラい人を好きになるのって、いけないことなの?」
「「当たり前でしょ!!」」
2人は「泣かされるよ!!」「飽きたらポイ捨てされるよ!!」と、必死に訴えてくる。
「…あたし、この前深森先輩たちが話してた所をたまたま盗み聞きしちゃったんだけどさ……」
瑠璃ちゃんがこそっと小声で話を続けた。