あなたの笑顔が好きだから。


どうして急に告白なんて…という疑問が湧いたが、驚きと混乱で、今の私には、そんなことを考える余裕はなかった。


「じゃ、じゃあセフレは…!?『セフレにしよっかなぁ』みたいなこと言ってたじゃないですか!」

「えっ、おれそんなこと言ってた?でも、いないよセフレなんか」

「ひ、日山先輩とお話していた時に言ってました!!」

「それ、いつのこと?」

「……い、1ヶ月前、くらい…?」


曖昧に答えると、先輩は眉を顰めながら口元に手を当てて、今までの記憶をたどっていく。

すると、思い出したかのようにサーッと顔を青ざめて。


「そういえばそんなこと言ったわ…。えっ、萩ちゃんってその話してた時、近くにいたの?」

「先輩に会いたくて、2年の教室に行ったらたまたま会話が聞こえちゃって……」


ちょうどその時に、先輩は好きな人がいることと、体関係の仲の子がいるという2コンボを食らい、悲しんでいたのに。

セフレはいなくて、好きな人がいるということは事実で。

そして、その相手はまさかの私。

もう何が何だかわからなくなってきた。


「萩ちゃん、ほんとにごめん。言い訳になるんだけど、『セフレにする』って言ってたのは、冗談だったっていうか……いや、"冗談"って言葉で終わらせちゃだめだよね」