「さっきのはおれん家の近所に住んでるおじさんだったから、何にも起きないで済んだけど、あれが違う人だったら、今頃萩ちゃんは誘拐されてたかもしれないんだよ?」
「ゆうかい、ですか……」
恐ろしい単語を聞いて、ゾクッと鳥肌が立つ。
しかし、そんなことよりもだ。
「さっきのおじさんと真ちゃん先輩は、知り合いなんですか?『深森さんとこの末っ子くん』って言ってましたけど…」
「…あぁ、うん。家が近所ってこともあって、小さい頃はよく遊んでもらってたんだ。あの人、おれと違って子ども好きだから」
「ほぇ〜っ」
「……って、そうじゃなくて!!萩ちゃんさぁ!何でわざわざ遠い方のコンビニ来てたの!?確か萩ちゃん家の近くに別のコンビニあったよね?」
「……」
私が住んでいるマンションの近くに、徒歩5分くらいで行けるコンビニがあるのだが、今日はあえて15分くらいかかるコンビニへと足を運んだ。
「……家にいたくなかった、から…」
「? 家??」



