あなたの笑顔が好きだから。



「……きょうで、16さいに、なったんだよ…」


視界が滲み始め、悲しくて熱い涙が流れ落ちる。


あぁ、だめだ。

ここ最近、泣いてばかりでイヤになる。


手で目元をごしごし擦って、無理やり涙を引っ込めた。

ズビッと鼻を啜りながら、鍵と財布とスマホを鞄に入れる。

出かける準備ができた後、動きやすいスニーカーを履いて、家を出た。


どよーんと、曇り空のような気分の状態で、とぼとぼコンビニへ向かった。

コンビニに着くと、2ピース入りのショートケーキを購入する。

ショートケーキは、自分用とお母さんの分だ。

自分用のは今すぐ帰って食べようと思っている。

今年も1人寂しくケーキに食べるのだ。

まあ、もうすぐ私の誕生日はあと数時間程で終わってしまうのだけれども。


「なんかもう、面倒くさくなってきた…」


何もかもどうでもよくなってきた。

このまま、ふわっとどこかへ消えてしまいたい。


そんなことを考えて、コンビニを出た時、トンッと、すれ違いざまに誰かの肩と自分の肩がぶつかった。