ぶっきらぼうだけど、あれでも一応心配して私の様子を見に来てくれたと思うから、機会があれば、ちゃんと『ごめんね』って伝えよう。
玲太くんの方へ視線を向けると、彼は友人たちと楽しそうに会話を繰り広げていた。
いつもならすぐこちらに気づいて『ジロジロ見んな』とでも言いたげな目を向けられるのだが、今回は一度も振り向いてくれることはなかった。
「芽依?どしたの?」
杏子ちゃんに呼ばれてハッと我に返り、首を横にふりながら「なんでもない」と答える。
「瑠璃ちゃん、杏子ちゃん。それに麻弥くん、いつも仲良くしてくれてありがとう」
みんなと友達になれて、こんな私と関わってくれて、素敵な人たちに囲まれて、私は幸せ者だ。
「本当に、ありがとう…!」
この人たちに出会えて本当によかったと、改めて、もう一度3人に感謝を伝えた。



