あなたの笑顔が好きだから。


***



先輩と話さなくなって、数週間ほど経ったある日のこと────…。


「「芽依っ!!」」


教室に着くと、瑠璃ちゃんと杏子ちゃんが笑顔で駆け寄ってきて、2人同時にぎゅっと抱きしめられた。


「「芽依、お誕生日おめでとう〜っ!!」」


「祝・16歳!!」「大好きだぞ☆」と、口々に祝われながら頭を撫でられ、どういう状況か理解できないまま2人を交互に見る。


「ありゃ?芽依あんた、自分の誕生日忘れてる?」

「今日は10月1日、芽依の誕生日でしょ?」

「………ハッ!!!」


日付を聞いて、今更今日が自分の誕生日であることに気づいた。

本日、10月1日は、私の誕生日だ。

そういえば、昨日お母さんから《明日は早く帰ってこれるようにがんばるね》とメッセージが来ていた。

最近は、真ちゃん先輩のことばかり考えていたから、自分の誕生日なんてすっかり忘れていた。


「ほい、これ誕プレ〜」

「あたしは芽依に似合いそうなアクセサリー買ってきた」


2人からかわいいデザインでラッピングされたプレゼントを受け取り、「ありがとう」と笑顔でお礼を言う。