───パシンッ。
先輩の腕を触っていた女の人の手を乱暴に払いのけた。
女の人は、キョトンとした顔で私に目を向ける。
「……っ、真ちゃん先輩のことが、好きです…!!」
真っ直ぐ先輩の目を見つめながら勢いで告白してしまい、ぽろっと涙が頬を伝った。
それと同時に、あぁ、やってしまった…と口走った自分の発言にひどく後悔する。
真ちゃん先輩は、目をまん丸にして私を見ていた。
周りにいる女の人たちも彼と同様、とても驚いた顔をしている。
「先輩の好きな人なんかよりも、先輩への想いは、私の方がぜったい強いって自信あるし……先輩を好きって気持ちは、誰にも負けないんだから…!!!」
カッとなった拍子に、廊下中に響き渡るくらいの声量で堂々と言い切ってやった。
先輩は驚愕して、「萩ちゃん」と声に出そうとしたが、私は背を向けて走り出した。
これ以上聞きたくなかったから、振られることはすでに確定していたから。
そう考えると涙が止まらなかった。
これでもう、私の恋は終わった。
終わってしまったんだ───…。