──『まじ?さんきゅー!この子セフレにでもしよっかな〜』
いやだ、いやだ、いやだ…。
なんで?どうして?
他の子に目を向けないでよ。
私じゃだめなの?
何が足りなかった?
先輩に私は相応しくなかった?
考えなくてもわかる。
先輩の隣に立つのは、私ではなかったということ。
ただ、それだけだ。
心がドロドロと真っ黒な感情に蝕まれていく。
彼女でも何でもない関係のくせに、嫉妬して馬鹿みたいだ。
一丁前に彼女面をしていたなんて、勘違いも甚だしい。
「…………っ、ゔっ…」
涙がこぼれ落ちそうになった時、
「萩ちゃん!」
さっきまで会いたい気持ちでいっぱいだった人物の呼び止める声がした。
「さっき萩ちゃんらしき後ろ姿が見えたんだけど…。やっぱり萩ちゃんだった!」
心の底から嬉しいと言わんばかりの笑顔で話しかけてくる。
だけど、黙り込んだまま振り向かない私に、先輩は不思議そうに首を傾げた。



