あなたの笑顔が好きだから。


そんな姿に目を奪われていると、先輩が不意にこちらを向いて、視線がばっちり絡み合った。


「…次、行こっか」


にへらと笑いながら歩き出すその背中を見つめて、私は「はい…」と小さく返事をした。


それからして、1階のフロアを一通り回った後、ちょうどお腹が空いてきたということで、私たちは、水族館の3階にある喫茶店に行くことになった。

店内は、1階と同様、辺りは薄暗く、優雅に泳ぐ観賞魚の水槽が様々な色の照明で照らされていた。

これは、アクアリウムというものだろう。


「約2000匹の魚を展示するカフェ型水族館で、ドーム状になってる水槽を眺めながら楽しく食事ができるんだって」


キョロキョロ見渡していると、先輩が説明してくれた。


「何で知ってるんですか?」

「来る前に調べてきた〜」


私たちは、空いている席を見つけ、向かい合わせになって座る。

そして、それぞれ自分たちが食べたい物を注文し、しばらくしてすぐに料理が運ばれてきた。

私はパンがアザラシの形をしたサンドイッチと、プリンとホイップクリームの上にひょっこりと顔を出しているチンアナゴパフェを頼み、先輩は、私と同じサンドイッチと、プールの上でイルカのマシュマロがぷかぷか泳いでいるようなアイスカフェオレを頼んだ。