「ゆうくんのおじさんって、真ちゃん先輩のことだったんですね」
「あぁ、うん。こいつ、おれの姉ちゃんの息子なんだよ。そんで、悠からすればおれは叔父に当たるってわけ」
「なるほど…。ゆうくんが『おじさん大きい』って言ってたので、私てっきり、その…怖い人だと勝手に想像しちゃって……」
萩ちゃんは、「ごめんなさい…」と申し訳なさそうに謝ってきたので、クスッと笑いながら「どんな人だと思ってたの?」と聞いてみた。
そしたら、予想外な質問が返ってきて、「肩から腕にかけて大きな龍の刺青が入っていて、大柄な体格に、いかついサングラスをかけたスキンヘッドのおじさん」と、やけに具体的な人物像を言ってくるものだから、あまりにも可笑しくて、腹を抱えるくらい大笑いをしてしまった。
「そ、そんな笑わなくても…」
「んははっ、ごめんごめん!いやぁ、その、なんていうか……萩ちゃんだなぁ…と思って…」
可愛いなぁ、好きだなぁ…なんて思った。
これが恋なのだろうか。
恋なんてしたことがないし、ましてや好きな人なんてできたこともない。
これまで適当に女の子たちと遊んでいたおれが今では1人の子に完全に惚れ込んでしまった。



