『本日も、ショッピングセンターにお越しいただきまして、誠にありがとうございます。 ご来店のお客様に迷子のお知らせを致します。白のTシャツに黒のズボンと赤色の靴をお召しになった、市内からお越しのひやまゆうくんがサービスカウンターでお連れ様をお待ちです。お心当たりのあるお客様は、1階サービスカウンターまでお越しください。 繰り返し、迷子のお知らせを致します───…』
「……"ひやまゆうくん"…」
甥っ子の名前が聞こえてきて、彼氏面マウント野郎と話している場合ではないことに気づく。
「じゃあ、おれ行くから!」
「……俺も失礼します」
2人同時にプイッとそっぽを向いて、別々の方向へと一歩足を踏み出し、歩き出す。
そして、振り返ることもなく、おれは慌ててサービスカウンターに向かった。
「悠!!」
目的地に到着すると、おれの声に気づいた悠は、「あっ、おじちゃん!」と言って、こちらに駆け寄ってくる。
一瞬、知らない人について行ったんじゃないかと恐ろしい想像をしてしまったが、見るからに何事もなさそうで、念のため悠に怪我がないかを確認しつつ、安堵のため息をついた。



