あなたの笑顔が好きだから。





昼食を食べた後、おれは悠と大型ショッピングセンターへとやって来た。

別に、おれが行きたかったわけではない。

テレビを見ながら昼ごはんを食べている時、ちょうど戦隊ヒーローが変身するおもちゃが発売されているというCMが流れ始め、悠が『これほしい!』とせがんできた。

『買えません』と答えると、悠は大声で泣き出し、全く聞く耳をもってくれなかったため、無理を言って母親からお小遣いをもらい、ショッピングセンターへ出かけることになったのだ。


「おもちゃなら涼香に買ってもらえばいいのに…」

「おじちゃんがいいの!」

「えぇ……」


出た、悠の謎のこだわり。

こうだと決めれば、絶対に曲げようとしない強い信念を貫き通そうとするから面倒くさいんだよなぁ…。

一度だけ、悠が通っている保育園のお迎えをしたことがあるのだが、悠はおれの姿を見つけた瞬間、いつも迎えに来てくれる永遠がよかったとギャン泣きされた思い出がある。

あの時は永遠が来るまで帰らないと言って、なかなか動こうとしなくて、連れて帰るのが大変だった。


「いいか、悠。絶対に真也兄ちゃんから離れんなよ。もし迷子になったら、あそこのサービスカウンターにいる可愛いお姉さんに声をかけて、助けを求めるんだぞ」

「はーい!」