「ありゃ女絡みだね…」と、涼香は悪い笑みを浮かべながらそう言った。
「あっ、そうだ。はい、これ悠のお昼ご飯。真也の分もあるし、一応多めに作ってきたから、まやっちの分もあると思う」
「マジで!?涼ちゃん神かよ!!やばい、めっちゃ美味そう!これ、食べたい分だけ持って帰っていい!?」
「どうぞどうぞ。そんじゃ、お昼休憩もうすぐ終わるから、あたし職場戻るわ。真也、悠をよろしくね〜」
「悠、お母さん行ってくるね!」と言って、涼香は急ぎ足で部屋を出て行った。
「おじちゃん、あそぼ!」
「いやだ。つーか、『おじちゃん』じゃねえし。『真也兄ちゃん』と呼びなさい」
「おじちゃん!」
「……」
悠の満面な笑みを見た瞬間、おれは何もかも全て諦めたような気分になってしまい、とりあえず昼食をとることにした。



