「恋は楽して実るもんじゃねえんだよ!」と、麻弥は言って、おれの顔面目掛けてクッションを投げつけてきた。

飛んできたクッションを華麗にかわしながら、心の中で1人納得する。

確かに、麻弥の言う通りだ。

あの時、"りょうたくん"は、萩ちゃんの彼氏なんだと勝手に思い込んでいたが、真相は本人に聞いてみないとわからない。


「聞きたいけど、連絡先知らんし、どうすりゃいいんだ〜〜〜…っ」

「SNSで繋がればいい話じゃん」

「おれ、SNSやってない」

「えっ、マジで!?オレらスマホ世代なのに、今まで何のアプリ使って生きてきたん!?」

「ライン」

「えぇ……」


「もしやそなた、現代っ子ではないな…?」と、疑いの目を向けられていると、ガチャリ、部屋の扉が開く音がした。


「やっほ〜真也〜〜〜っ!!お姉様が来たぞー☆」

「やーっ!」


扉の方に視線を移すと、姉の涼香(りょうか)と甥っ子の(ゆう)が立っていて、思わず「うげっ…」と声に出してしまう。