「言っとくけど、そこに写ってる女子2人はただの友達で、どっちとも好きな人がそれぞれいるから、おれはほぼ空気って感じだったし…」

「でも女子と遊んだことは事実じゃん」

「……」


説明させてほしい。

おれは別に女の子と遊ぶ目的で遊園地に行ったわけではない。

おれの隣の家に住んでいる幼なじみ&親友の永遠に生まれて初めて好きな人ができたのだ。

信じられない話だった。

恋愛をする気が全くなかったあの永遠に、とうとう青い春がやって来たのだ。

兄弟のように一緒に育ってきた者として、親友の恋を応援したい思いが強く、バスケ部のやつらと共に遊園地に行ったわけで。

そもそも、その中にいた女の子2人に対しては、恋愛感情など一切持っていない。

連絡先を交換してはいるけど、特に大したやり取りもしていない。

また、これまでなんとなく遊びで付き合っていた女の子たちの連絡先は、ほとんど消した。

急にどうしたんだと、聞かれたこともあったが、本気で気になる子ができたと答えたら、みんな「ふーん」と言いたげな表情で納得してくれた。

だから、これからは、萩ちゃんに振り向いてもらえるよう、アピールしていこうと意気込んでいたのだが───…。