【side 真也】
時は、2人が偶然的に再会する日の昼頃に遡る───。
「えーっ!!??夏休み始まってから芽依と一度も会っていない上に、連絡先も交換してないだってー!?うそでしょー!?だっさーい!!!」
麻弥がわざとらしく大きな声で毒を吐き、その言葉が矢のごとくおれの心臓めがけて突き刺さる。
ごもっともすぎて、ぐうの音も出なかった。
「あれれ?真くん、いつからそんなピュア男子になったの?今までなら、誰彼構わず色んな女の子の連絡先聞きまくってたくせに…」
「うるせーよ。 ……つーか、おれ、これまで関わってきた女の子の連絡先、全部消したし」
「とか言って、この前の遊園地に行った日、女の子2人いたじゃん」
「えっ、何で知ってんの?」
「2年のバスケ部の人がインスタで遊園地に行った日の写真投稿してるのがタイムラインに流れてきたんだよ」
「ほら」と麻弥がおれの方に画面を向けてくれて、遊園地で撮った集合写真を投稿したやつの名前を確認し、勝手に載せんじゃねえよ…と心の中で文句をこぼした。