「だけど凪咲と結婚してこの指輪をつけたら威力は絶大でさ。仕事も私生活も快適になったよ。噂がひとり歩きをして愛妻家と言われるようになって、それを離婚してからも利用するためにずっとつけていたんだ」
「そう、だったんですね」
じゃあ本当に誠吾さんは再婚していなくて、奥さんもいないんだ。
ホッと胸を撫で下ろした。
ん? どうして私、こんなに安心しているの? それにちょっと嬉しいと思っていない?
それが信じられなくて戸惑う。
「だけど驚いたよ。本当に凪咲が夢を叶えて、こうして同じ職場で働くことになるなんて。よく頑張ったな」
なんて言っているけど、母から私のことを逐一聞いていたようだし知っていたんだよね? それに離婚した後も私たちのことを気にかけてくれていたんでしょ?
母に教えてもらえなかったら、ずっと知らないままだった。
そうだよ、誠吾さんには感謝してもし切れない恩がある。彼が既婚者だとか私のことを忘れているとか気にするより、もっと大切なことがあったじゃない。
「あの、誠吾さん」
「ん? なに?」
キョトンとする誠吾さんに深々と頭を下げた。
「そう、だったんですね」
じゃあ本当に誠吾さんは再婚していなくて、奥さんもいないんだ。
ホッと胸を撫で下ろした。
ん? どうして私、こんなに安心しているの? それにちょっと嬉しいと思っていない?
それが信じられなくて戸惑う。
「だけど驚いたよ。本当に凪咲が夢を叶えて、こうして同じ職場で働くことになるなんて。よく頑張ったな」
なんて言っているけど、母から私のことを逐一聞いていたようだし知っていたんだよね? それに離婚した後も私たちのことを気にかけてくれていたんでしょ?
母に教えてもらえなかったら、ずっと知らないままだった。
そうだよ、誠吾さんには感謝してもし切れない恩がある。彼が既婚者だとか私のことを忘れているとか気にするより、もっと大切なことがあったじゃない。
「あの、誠吾さん」
「ん? なに?」
キョトンとする誠吾さんに深々と頭を下げた。



