「遅くなっちゃった」
すべての業務を終えてロッカーのドアを閉めた控室には、私以外誰も残っていない。
報告書を書いている間、どうしても誠吾さんのことを考えてしまい、なかなか終わらなかった。
「どうして再会しちゃったんだろう」
そもそもどうして結婚している時に話してくれなかったんだろう。私と出会った頃にはすでに彼はパイロットへの一歩を踏み出していた頃だったはず。
私がCAになりたいと打ち明けた時に教えてくれたらよかったのに。……ううん、仕事のことだけじゃない。そもそも私は誠吾さんのことをなにひとつ知らなかった。
そう思うと本当にただの契約結婚だったんだ。
事実なのにやっぱりまた胸が痛くなり、慌てて首を横に振った時スマホが鳴った。
「誰だろう」
急いでバッグからスマホを手に取り見ると、電話の相手は母だった。
「もしもし、お母さん?」
『久しぶり、凪咲。今、電話大丈夫?』
「うん、大丈夫だよ」
就職を機に上京し、入社後は忙しない日々だったから母とは専らメッセージのみのやり取りだった。だからこうして電話で話をするのは久しぶり。
控室にある椅子に座り、母の声に耳を傾けた。
すべての業務を終えてロッカーのドアを閉めた控室には、私以外誰も残っていない。
報告書を書いている間、どうしても誠吾さんのことを考えてしまい、なかなか終わらなかった。
「どうして再会しちゃったんだろう」
そもそもどうして結婚している時に話してくれなかったんだろう。私と出会った頃にはすでに彼はパイロットへの一歩を踏み出していた頃だったはず。
私がCAになりたいと打ち明けた時に教えてくれたらよかったのに。……ううん、仕事のことだけじゃない。そもそも私は誠吾さんのことをなにひとつ知らなかった。
そう思うと本当にただの契約結婚だったんだ。
事実なのにやっぱりまた胸が痛くなり、慌てて首を横に振った時スマホが鳴った。
「誰だろう」
急いでバッグからスマホを手に取り見ると、電話の相手は母だった。
「もしもし、お母さん?」
『久しぶり、凪咲。今、電話大丈夫?』
「うん、大丈夫だよ」
就職を機に上京し、入社後は忙しない日々だったから母とは専らメッセージのみのやり取りだった。だからこうして電話で話をするのは久しぶり。
控室にある椅子に座り、母の声に耳を傾けた。



