契約夫婦を解消したはずなのに、凄腕パイロットは私を捕らえて離さない

 初めてのフライトではガチガチで、緊張していたこと。入社当時から女性にモテていて、空港を歩けばすぐに囲まれていたこと。そして彼が急に結婚指輪をつけだした日には、ショックを受ける女性が多かったことなど、様々な話をしてくれた。

「おっと、そろそろ戻らないと。羽田までよろしくな」

「はい、よろしくお願いします」

 私も少し早かったけど、館野キャプテンとともに戻った。

 午後の二便のうち、一便は金城さんと同じビジネスクラスを担当することになっている。いつものようにきつく当たられるかと思ったけど、そんなことはいっさいなく、お客様がいない機内でも普通に接してきて少し拍子抜けしてしまった。


「お疲れさまでした」

「お疲れさまです」

 無事に今日の乗務を終え、クルーたちと挨拶をして飛行機から降りる。羽田に着いたのは十六時四十分過ぎ。すべてのお客様を見送り、機内の掃除をしたら十七時半を回っていた。

「今日はクレームもなく、いいお客様に恵まれたね」