久しぶりに聞いた彼の声に、とめどなく涙が溢れて止まらなくなる。
『よかった、電話に出てくれて。今、どこにいるんだ?』
「えっと……まだ会社で」
『会社のどこ?』
間髪を容れずに聞かれ、「控室です」と答えると、誠吾さんは『わかった』とだけ言って通話を切ってしまった。
「もしもし、誠吾さん?」
返事は返ってこず、通話の切れたスマホ画面を眺めてしまう。
どういう意味だろう、わかったって。もしかして誠吾さんもまだ会社に残っているの?
急いで控室から出たものの、廊下はシンと静まり返っていた。だけど少ししてこちらに向かって駆け寄ってくる足音が聞こえてきた。
次第に大きくなっていく足音に引き寄せられるように、私も聞こえるほうに足を進めていく。そして角を曲がった時、誠吾さんの姿をとらえた。
「凪咲!」
「誠吾さん……!」
彼を見た瞬間、気づいたら駆けだしていた。そして勢いそのままに飛びついた私を、誠吾さんは優しく抱きとめる。
「凪咲……」
愛しそうに私の名前を呟き、背中や髪を撫でられたら涙を止める術など失う。
『よかった、電話に出てくれて。今、どこにいるんだ?』
「えっと……まだ会社で」
『会社のどこ?』
間髪を容れずに聞かれ、「控室です」と答えると、誠吾さんは『わかった』とだけ言って通話を切ってしまった。
「もしもし、誠吾さん?」
返事は返ってこず、通話の切れたスマホ画面を眺めてしまう。
どういう意味だろう、わかったって。もしかして誠吾さんもまだ会社に残っているの?
急いで控室から出たものの、廊下はシンと静まり返っていた。だけど少ししてこちらに向かって駆け寄ってくる足音が聞こえてきた。
次第に大きくなっていく足音に引き寄せられるように、私も聞こえるほうに足を進めていく。そして角を曲がった時、誠吾さんの姿をとらえた。
「凪咲!」
「誠吾さん……!」
彼を見た瞬間、気づいたら駆けだしていた。そして勢いそのままに飛びついた私を、誠吾さんは優しく抱きとめる。
「凪咲……」
愛しそうに私の名前を呟き、背中や髪を撫でられたら涙を止める術など失う。



