契約夫婦を解消したはずなのに、凄腕パイロットは私を捕らえて離さない

『だから早く話すべきだよ。わかった?』

「うん、わかったよ」

 真琴に勇気をもらえたおかげで、すぐにでも誠吾さんに話そうって思えたよ。

 彼女は再三私に誠吾さんに話すよう言い、通話を切った。溢れた涙は渇き、自然と頬が緩む。

 家に帰ったら誠吾さんに電話してみよう。国際線の乗務中ではなかったはず。

 彼からのメッセージを確認しようとスマホ画面を見ると、たくさんの未読メッセージと不在着信が入っていた。

 半分は真琴からで、そして残りの半分は誠吾さんからだった。

 誠吾さんもまた噂を聞いて連絡をくれたのかもしれない。そう思うと胸が熱くなり、家まで待てず連絡をしようとした時、スマホが鳴った。

 びっくりして落としそうになり慌ててしっかりと掴む。そして電話の相手を確認すると誠吾さんからだった。

 ドキドキしながら電話に出ると、私が声を発する前に誠吾さんが心配そうな声で『大丈夫か? 凪咲』と言う。

「誠吾さん……」

 ずっと電話もメッセージも避け続け、会っても目をできるだけ目を合わせないようにしていたのに、私を心配してくれていたの?