契約夫婦を解消したはずなのに、凄腕パイロットは私を捕らえて離さない

 そんなの悲しいに決まってる。好きな人が苦しんでいる時にそばで支えることも、力になることもできなかったらつらいよ。

『今すぐにでも真田さんを頼るべきだよ。両親の離婚に関しても弁護士を通して力になってくれたんでしょ? きっと今回も凪咲の味方になってくれるから』

 まるで真琴の言葉には魔法がかかっているかのよう。彼女の言う通りになる気がしてくるよ。

 誠吾さんがどう思うかはわからないけど、でもこうしている間にも誠吾さんの耳に噂が入る可能性がある。

 その前に自分の口から説明したい。そしてもし許されるなら、誠吾さんに甘えてもいいだろうか。

「ねぇ、真琴。……誠吾さん、迷惑に思わないかな?」

 私が逆の立場なら、頼ってもらえず悲しいと思うけれど、誠吾さんも同じ気持ちになってくれる自信がない。

 しかし不安を漏らせば、真琴はすぐに言ってくれた。

『思うわけないじゃない! むしろ凪咲に頼ったり甘えられたりしたら、嬉しいに決まってるよ!』

 力強い声にまた涙が溢れそうになる。