契約夫婦を解消したはずなのに、凄腕パイロットは私を捕らえて離さない

『それと間違っても勝手に会社を辞めたりしないで。凪咲はなにも悪いことはしていないでしょ? 堂々としていればいいの』

「でも私がいたら、会社に迷惑をかけるかもしれない。父がまた空港に来る可能性も否定できないもの」

『その時は私が守ってあげる! だから絶対に辞めないで。それに凪咲の味方は私だけじゃないでしょ? 真田さんだって同じことを言うはず』

 誠吾さんの話が出て、ドキッとしてしまう。

「そう、かな。だって私、さんざん誠吾さんに迷惑をかけちゃったんだよ? せっかく誠吾さんがお父さんのために力になってくれたのに、恩を仇で返すことをして……」

『それはお父さんがでしょ? お父さんには失望するだろうけど、凪咲にするわけがないじゃない。むしろ私と同じように頼ってもらえなくてショックを受けていると思う。凪咲が逆の立場だったらどう? 真田さんに頼ってもらえなかったら悲しくないの?』