契約夫婦を解消したはずなのに、凄腕パイロットは私を捕らえて離さない

 努力してやっと掴んだ夢をこんなにも早く手放すことになるかもしれないなんて、どれだけ私は神様に嫌われているのだろう。

 誠吾さんとだってせっかく再会できたのに、父の存在が邪魔をする。

 彼にだけは父のことを知られたくないけど、金城さんの行動次第では誠吾さんの耳にも入るだろう。

 これからのことを考えると不安でいっぱいでどうしようもなくなり、しばらくの間涙が止まらなかった。


 次の日、出勤すると明らかにみんなが私を見る目が変わっていた。

 着替えのために控室に入るや否や、さっきまで騒がしかった室内は一気に静まり、早々と先輩たちは着替えを済ませて出ていってしまった。

 まるで私とは関わりたくないというように、挨拶をしても返してくれなかった。

 やっぱり金城さんが話したんだよね。それ以外考えられない。

 その日の乗務は地獄だった。必要最低限の言葉しか交わしてもらえず、あからさまに避けられ……。

 フライト先の千歳空港で休憩中、たまたま一緒のお店にいた先輩たちの話を聞いてしまい、胸が痛んだ。