契約夫婦を解消したはずなのに、凄腕パイロットは私を捕らえて離さない

 それも誰が聞いても最低な父親だと思うはずなのに、素晴らしい? 感謝するべきだ? 絶対そんなこと思っていないよね?

 こんなこと考えたくないけど、金城さんは父のことを誰かに言いふらすつもりだった? ううん、まさか。さすがの金城さんもそこまで悪い人ではないはず。父はきっと包み隠さず話したはずだし、すべてを聞いて言いふらすような人だとは思いたくない。

 だけど不安は拭えず、心が落ち着かない。

「そういうわけで凪咲、今持っている分だけでもいいから金を貸してくれよ。毎日仕事で疲れていてさ、息抜きに遊びたいんだ」

 遊びってどうせギャンブルでしょ? もういい加減にしてほしい。

 ここが空港の一画と言うことも忘れ、思うがまま言葉を口にしてしまいそう。必死に感情を抑え込む中、なにも言わない私に父は痺れを切らした。