契約夫婦を解消したはずなのに、凄腕パイロットは私を捕らえて離さない

「ありがとう、皆さんのおかげで無事に飛行機に乗れてホッとしました。こんなに手を貸してくださるなら、もっと早く勇気を出して飛行機に乗ればよかったわ。また近いうちに利用させてもらいますね」

 お客様から温かな言葉をもらうことができ、泣きそうになってしまった。

 CAになってお客様からの〝ありがとう〟はどの言葉よりも嬉しいと知った。

「よかったわね、お客様に喜んでもらえて」

「はい。楽しいフライトにしてほしいです」

 お客様を見送った後、先輩はグランドスタッフに声をかけられ、先に戻ると離れていった。私も踵を返し、空港内を進んでいく。

 車椅子の扱いについては勉強してきたつもりだけど、実践してわからないこともあった。先輩がいたからよかったけど、もっとしっかりと学ぶ必要があるかもしれない。

 それに今まで多くのお客様と交流が持てるようにと、様々な国の言葉を学んできたけど、他にも学ぶことがあることに気づいた。

 耳が聞こえず、手話でコミュニケーションをとるお客様もいる。逆に目が見えず、案内を必要とするお客様だっている。