「自分が好きな人。手をあげてください。」

放課後のホームルーム。吉野先生ー通称よっちゃんがそう声を張り上げた。


周りを見渡しても、手を挙げる生徒はいない。当たり前だ。


恥ずかしいじゃないか。自分が好きなんて。ナルシストだよ。


うちの学校は、この質問が毎年この時期にある。


毎年毎年、手を挙げる生徒なんてほとんどいなくて、あげたとしてもおふざけがほとんどだ。



自分が大好きなんて、思ったことがない。



目が小さいし脚は太いし鼻は低い。嫌な所ばかりじゃないか。


私なんて、大っ嫌い。