ティアドール

「何度も!何度も!」

フェーンはビームの照準を、ミサイルに向け、すべてを撃ち落とした。

「あら」

有馬はブリッジ内で、にやりと笑った。

「奥の手は、最後まで取っておくものよ」


「な!」

フェーンがミサイルを撃ち落とした瞬間、目映い光が雛菊と黄金の鳥の間で、発生した。

まるで太陽ができたような閃光に、フェーンの視界は真っ白になり…フィギュアの制御を失っていた。

「今よ!河村くん」

有馬の言葉に、雛菊内の河村は口を尖らせた。

「閃光弾を使うなら、言って下さい!前を向いていたからよかったものを!少しでも後ろを見ていたら、こっちもやられてましたよ!」

河村は機体のスピードを上げ、一気に草薙を目指した。

「カタパルトデッキに、オリジナルフィギュアを置きます!どうしてか知りませんが、こいつ停止しています!」

雛菊は、草薙とスピードを合わせると、着艦することなく、アルテミスだけを下ろし、そのまま草薙を通し過ぎ、上空で旋回した。

「このままで、すむわけがないでしょ!」

草薙と後にして、河村は閃光が止んだ空域に向かう。

「味な真似を!」

そこには、機体を立て直したフェーンがいた。真っ直ぐにアルテミスを目指して、飛んでくる。

「あんたの伝説は、今日で終わりだ!」

河村は、黄金の鳥目指して、スピードを上げた。

二機のフィギュアが、草薙の後方で激突した。








「君…は?」

ユーテラス内で、膝を抱えて震えていたコウは、目を細めた。

(人は…己が生きる為に存在している…のではないの?)

「君は…誰?」

草薙のカタパルトデッキの上で…アルテミスはまったく動くことなく、活動を停止していた。

しかし、ほんの少しだけ、瞼が開いていた。