ティアドール

すぐにユーテラス内に入ると、河村は液体に包まれながら、左右の壁に手をつけた。

「いこうか!雛菊!」

河村の声にこたえるように、フィギュアは起動した。

「黄金の鳥よ!お前だけが!飛べると思うなよ!」

フィギュア…雛菊は、一気に海面から、大空に飛翔した。

フィギュアには、世代がある。

レクイエムを零世代と呼ぶならば、オリジナルフィギュアは第一世代。

そして、第一世代のコアから派生し、生まれた…フィギュアを第二世代。

さらに、第一世代のコアを研究し、人工的に造られたフィギュアを第三世代といわれていた。

それぞれ…一流、二流、三流と呼称されていた。

河村が乗る雛菊は、第二世代のフィギュアであり、フェーンが乗る黄金の鳥以外は、すべて日本に属していた。

「さあ!女神を拐うぞ!」

雛菊は、薄紅色の巨大な翼を広げると、アルテミスのもとに向かう。


「何!?」

ミサイルを避けながら、フェーンは新たなフィギュアの反応に気付いた。

「速いな…しかし!」

フェーンは、ミサイルを避けるのをやめた。

黄金の鳥…別名ファイアバードは、その名の如く…身を炎を包んだ。

まるで結界のように、ファイアバードを包んだ炎は、機体を三倍の大きさにした。

ミサイルは、炎に触れて爆発するが、本体を傷付けることはない。

「チート機体が!」

河村は、ファイアバードの変化を見て、舌打ちした。

「しかしな!こっちも!」

河村が何かを仕掛けようとした時、有馬の通信が入った。

「河村くん!あくまでも、オリジナルフィギュアを優先してよ!こっちは、ミサイルの大盤振る舞いしてるんだからね。これで結果が出なければ、あたしたち首よ」

「了解」

河村は無愛想にこたえると、機体を反転させた。

雛菊は真っ直ぐ、アルテミスに向かう。

「行かせるか!」

フェーンは機体のスピードを上げた。

「弾幕!倍よ!」

有馬は、ブリッジで叫んだ。

「く、くそ!」

数を増したミサイルの為、リサは前に進めなかった。