ティアドール

「コアを破壊したわね。粗悪品でも、コアは回収する決まりなのに」

ユーテラス内でため息をつく麗奈に対して、莉奈は下唇を噛み締め、言葉を絞り出した。

「そ、そんな余裕はなかった…」

その言葉に、麗奈は目を見開いた後、肩をすくめて頷いた。

「そうね」

「…」

ユーテラス内で莉奈が項垂れると、フィギュアは下に降下していく。

その様子を見下ろしながら、麗奈も下がることにした。

装甲を捨て、身軽になったシノビは、それと同時に、推進力を大幅に失っていた。

このまま自力で、オリジナルフィギュアのもとにはいけない。

「こちら、麗奈。草薙、応答して下さい。敵機を撃墜しましたが、すぐにそちらに向かうことができません」

草薙に報告を入れながら、麗奈は海上で、莉奈が落ち着くまで待機することにした。




「フィギュア、射出します!」

麗奈達の戦いが終わる寸前、草薙からフィギュアが発射された。

「ミサイルをありったけぶちこんで!」

リサのオバマと黄金の鳥に向かって、草薙からミサイルが数十発発射された。

「やつらを近付けるな!」

有馬はミサイルの行方よりも、画面に映るオリジナルフィギュアを見つめていた。



「こんなミサイルごときで!」

リサのオバマAB型は避けることなく、ビームマシンガンをミサイルに向けた。

それは、黄金の鳥に乗るフェーンも同じだった。

「下らん」

フェーンは表情一つ変えずに、ミサイル群を撃ち落とした。

「!?」

しかし、すぐに次のミサイルが迫ってきた。




その頃、草薙から射出されたフィギュアは、河村が待つブシのそばまで水飛沫を上げながら海面を滑り、すぐそばまで来ると、ピタリと停止した。

空がミサイルの爆発で、もの凄い喧騒になっているのに、河村の周りは静かだった。

「いい子だ」

河村は微笑むと、ブシから射出されたフィギュアに飛び移った。