不良もののやつ


この男といると、普段滅多に動かない感情が動く気がする。

なんでだろう。







「....っ!」

ふいに男は表情を変えて私の頬に手を添えた。

私は彼の眼に囚われて動けなかった。

ゆっくり迫る彼の顔と、縮まる距離。

思わずぎゅっと目を閉じると、

クスッと笑われた。

「ちょっ、んっ」

笑われたことにまたもやイラっとして開いた口を、彼の唇が塞いだ。