春に笑って、君宿り。


「今日の夜、時間ある?」

「……え」


これは、直感。
多分当たってる。

告白、のことですよね、きっと。


「……うん…」


私も自分のことばかりで、ずっとうやむやにしてしまってきていたから。
少し信濃くんとも話さなくちゃ、だよね。


「うん、じゃあ夜また連絡する、わ」

「……」


ドキドキ。
信濃くんと、会う。
うまく話せるかな。

怒らせないように……じゃなくて、きちんと私の気持ちを話さなくちゃ。


「わ~、みんなっ!! お抹茶とお菓子だって!!」

「マジ!? やったあ!!」


いつもの10倍元気に響く乃奈香ちゃんの声に、光の速さで食いついた萌ちゃん。


「はなの!! 早く行こ!!」

「う、うん!! ……信濃くんも行こっ」


そう声をかけて、逃げるように萌ちゃんたちの元へ小走りで向かう。
……こんな調子で、話なんて本当にできるんだろうか。