春に笑って、君宿り。

「わ、私もごめんね、カノちゃん」

「えっ!?」


今度は乃奈香ちゃんまで謝りだしちゃった。


「私が雪杜くんと一緒にいたから、きっと嫌な気持ちにさせちゃったよね……カノちゃんと雪杜くんの力になれたらと思ってたんだけど、ただ嫌な気持ちにさせて終わっちゃったなって思って……」

「そ、そんなこと気にしないで!! 私、大丈夫だよ!!」


あああ、2人ともそんな悲しい顔しないで!!
子犬みたいでかわいいんだから!!
だっ、抱きしめちゃうぞっ!!


「私萌ちゃんのことも乃奈香ちゃんのことも大好きだよ!!」


ほらほら笑って!!
可愛い子は笑顔がいっちばん似合うんだよ!!


「カノちゃん~……!!」

「はなの~!!」

「わは、2人とも大好き~っ!!」


3人でほっぺたをくっつけてすりすりタイム。

何度かお泊まり会はしたことがあったけど、いつもと違う環境っていうのもいいね。
うん、修学旅行最高だね。


萌ちゃんの美の秘訣を聞いたり
乃奈香ちゃんのお兄さんの面白い話を聞いたりして

そろそろ寝ようかってなって、「おやすみ」って言ったのに
沈黙がおかしくて変なツボに入るというあるある現象が起きてしまって全然眠れなくなって。

そういうのも全部、大切な思い出。
二度はない修学旅行の夜は、とてもキラキラして素敵なものになった。