春に笑って、君宿り。

***
お寺巡りに、シカに追いかけられ、世界遺産を見て回って。

宿泊先について温泉を堪能した。もう最高だね。

そして、夜はお待ちかねのガールズトークに花を咲かせる。


「はなの、雪杜とどうなった?」

「えっ」


やっぱりターゲットは私で。
どうって、特に前進も後退もしてないんだけど……っ!!


「……あたし的には、統河との関係をどうするのかの方が気になるんだけど」

「ふぁっ!?」

「えっ、えっ!? どういうこと!?」


いやほんとにどういうこと!?


「もしかして萌ちゃん、統河くんに告白されたこと知ってたの……!?」

「そりゃ、統河脅して聞き出したわ。遊園地の一件の後からはなのの様子が明らかにおかしかったからね」


原因があるとしたら統河しかいないっしょ、と付け加えてから
しゅんとしたように眉を下げた。


「ごめんね、はなの」

「えっ?」

「私が『男女ペアで』なんて言わなかったらゴタゴタさせずに済んだかもなって思って。ちょっとテンション上がってて状況把握できてなかった」


萌ちゃん、もしかしてずっと気にしてたの……?