春に笑って、君宿り。

「そ、それで、乃奈香ちゃんと何話してたの!!」

「……別に、たいしたことじゃないって」

「ずるいっ、私抜きで楽しそうに話すのずるいっ」


たいしたことないのに、あんなに楽しそうにしてたの?
ますます気になるよ。
やだ、内緒にしないで。仲間はずれにしないで。


「あんたのこと話してただけ」

「だから、そのあんたのこと、じゃ……」


手の甲で口元を隠す。
照れてるときに出るクセ。
私のことを話して、楽しそうにしてたの?


「う、わ……」


ぽぽぽ……っと体が熱くなる。
どうしよう。

う、うれしい。


「えへへ……今日も最高だなあ」

「はあ……今日俺、失言多いかも……」

「そんなこと言わないで、もっと言いたいこと言ってくれていいのに!!」

「調子、乗らないでくれる」

「切り替えはやあ~……」


こうやって楽しく帰るのが、いつの間にか日常になっていた。

まだまだきちんと気持ちが伝わってるとは言いがたいけど、

確実に近づけてる、よね?