***
「……でね、行きたいところがありすぎて結局決まらなくてね、ふふ。全然時間が足りないの」
「……」
帰り道。
偶然雪杜くんと一緒になって、うっかり一緒に歩いて帰っている。
……偶然とうっかりが毎日続いているのは奇跡です。
私が無理矢理起こした奇跡です。
「そうだ!! 雪杜くんはお土産、何が欲しい?」
「いや、俺は別にいらないし、普通に楽しんできたら」
「えへへ、大好きだよ」
「本気じゃないくせに」
相変わらずこんな感じで軽くあしらわれちゃう。
前は「好き」って言ったらあんなに顔を赤くしてたのに、今では慣れっこって感じで余裕の表情。
むう。
そういう雪杜くんこそ、少しは私のこと考えてくれたっていいのに。
……少しじゃなくたって、一日中ずっと考えてくれたっていいのに。
「乃奈香ちゃんがね、新撰組が大好きみたいで」
「ああ、好きそうだね」
「……」
「え、なに」
また、嫌な気持ち。
なんで雪杜くんが、乃奈香ちゃんのことを知ってるの。
ずっと見て見ぬ振りしてきた。
すぐ忘れるタイプだし、きっといつもみたいにたいしたことなかったみたいに
忘れていくんだと思ってた。
「……でね、行きたいところがありすぎて結局決まらなくてね、ふふ。全然時間が足りないの」
「……」
帰り道。
偶然雪杜くんと一緒になって、うっかり一緒に歩いて帰っている。
……偶然とうっかりが毎日続いているのは奇跡です。
私が無理矢理起こした奇跡です。
「そうだ!! 雪杜くんはお土産、何が欲しい?」
「いや、俺は別にいらないし、普通に楽しんできたら」
「えへへ、大好きだよ」
「本気じゃないくせに」
相変わらずこんな感じで軽くあしらわれちゃう。
前は「好き」って言ったらあんなに顔を赤くしてたのに、今では慣れっこって感じで余裕の表情。
むう。
そういう雪杜くんこそ、少しは私のこと考えてくれたっていいのに。
……少しじゃなくたって、一日中ずっと考えてくれたっていいのに。
「乃奈香ちゃんがね、新撰組が大好きみたいで」
「ああ、好きそうだね」
「……」
「え、なに」
また、嫌な気持ち。
なんで雪杜くんが、乃奈香ちゃんのことを知ってるの。
ずっと見て見ぬ振りしてきた。
すぐ忘れるタイプだし、きっといつもみたいにたいしたことなかったみたいに
忘れていくんだと思ってた。



