春に笑って、君宿り。

「……なにしてんの」


ほうきを手にした雪杜くんが戻ってきた。
ご、ごめんね!!


「私もほうきになりたい!!」

「……」


思ってることと建前が反対になる現象!!

いくよ、と私の手を引いて。
悲劇のゴミ箱の元へ向かった。


……て、手!!


「~……っ!!」


普通に手を繋いでる。
たった数メートルだけど、雪杜くんと手を繋いで歩いた。

嬉しくて、にやけちゃう。


「……これ使って」

「あ、りがとう。……萌ちゃん達待たせてたから、すごく助かるよ……」

「ほんとに何してんの。さっさと終わらすよ」


差し出されたほうきを受け取る。
あ……手、離れちゃった。


「……」


ひたすら散らばったゴミをほうきで集めて、ゴミ箱の中に戻していく。
う、周りの子達の視線が痛い。
迷惑な先輩でごめんね。すぐ片付けるからね。