春に笑って、君宿り。

「好き!!」

「好きって言うか俺はあんたの……は……?」


きょとん。
そんな音が聞こえてきそうなくらいかわいく目を見開く雪杜くん。
ああだいすき。
今すぐここからさらっちゃいたいよ。

ふへっと笑ってから、周りにいるみんなを見る。


「雪杜くんの顔の傷、昨日私がつけちゃったんだ」

「えっ……?」

「えへ、今みたいに雪杜くんに抱きついたとき、うっかり私のヘアピンが引っかかっちゃって」

「ちょ、なに余計なこと……!!」


雪杜くんがはっとして、私の言葉を遮ろうとする。
私はそんな彼の頭に手を伸ばして、そっと優しくなでた。


「……っ!?!?」


よしよし。
もう1人になんかしないからね。
なんなら雪杜くんにかけられた変な噂、私が全部違うよって大きな声で叫んで否定してあげる。
信じてもらえなかったら、一緒に背負ってあげる。

嬉しい時も、悲しいときも。
健やかなるときも、病めるときも。

一番傍にいたいんだよ。


やっとわかったの。


これが本当の恋だって!!