春に笑って、君宿り。


……もしかして、もうクセになってる……?

そうだったら、めちゃくちゃ嬉しいんですけど……。


「……っ!!」


迷わず飛び込めば、もうすっかり慣れたように私を抱きとめてくれた。

ねえ、他の子にもこんなことしてほしくないよ?
これってやっぱり友達に対する気持ちなんかじゃないよね?

こんな、誰かの全部を独り占めしたいなんて思ったことないんだよ。

好きかもしれない、じゃないの。
もう、好きってことなの。


迷ってごめんね。


もう他の人に揺さぶられたり、惑わされたりしないから。
誰になんと言われても、これが私の「好き」だよ。

どれだけ引きはがされても
どれだけ呆れられても
伝え続けてやる。貫き続けてやる。


「……っとに、何回言ったらわかるわけ!? どこ、学習能力!! 友達の距離感考えてって言ったよね!? その頭テストに全部持っていかれた!?」

「お、おい雪杜、その人先輩だけど……」

「知ってるよ!!」


突然の私の登場に、周りにいた生徒がおどおど。
ただ雪杜くんだけがまくし立てるように言葉をぶつけてくる。

自分のこと、色々言われても何も言い返さなかったのに、おかしいね。
ね、私のこと心配して怒ってくれてるって思ってもいいのかな?

……ダメって言っても、そういうことにしちゃうんだけどっ!!